人獣共通感染症とは人間にも動物にも同じ病原菌によって病気になってしまう感染症のことをいいます。 ハリネズミも生き物で病気になることもあります。 そして知らず知らずのうちに病原菌に感染してしまっていることもあります。 あらかじめどのようなものがあるのか知っておきましょう。
人獣共通感染症とは
人獣共通感染症で有名なものは狂犬病があげられるでしょう。 狂犬病は感染してしまった場合、治療法がなくほぼ100%の人間が死んでしまいます。 犬や猫など様々な野生動物から噛まれたりしたときに感染してしまいます。 幸い日本では1956年以降発生しておりません。 オーストラリアやニュージーランドにおいても狂犬病洗浄地域に定められています。
海に囲まれているのがいいんだね
ハリネズミの共通感染症について
狂犬病
ハリネズミも狂犬病に感染していることがあります。
上記リンクではモスクワで2匹の狂犬病に感染したハリネズミが見つかったというものである。
狂犬病は、ヨーロッパでの事例が一件報告されています出典:『ハリネズミ完全飼育』
『ハリネズミ完全飼育』においても狂犬病に関する記述がありました。しかし実際はもう少し多いのではないでしょうか。
A case of rabies in a hedgehog has been reported once (37). A family in inner-city Budapest found a hedgehog and, while playing with it, was exposed to typical salivary secretions. The animal later died and was confirmed to be positive for rabies.出典:CDC
上記リンクにおいて、1997年にブダペストで狂犬病に感染したハリネズミが一例のみあるという記述がありました。 これによって狂犬病は一例のみと書かれていると思うのですが、先ほどのリンクから見ても野生のハリネズミは狂犬病に感染しているリスクがあるのではないでしょうか。 ここまでハリネズミの狂犬病について書きましたが、実際にはペットとしてのハリネズミについてはまず心配する必要はないでしょう。 現在日本には野生で捕獲されたハリネズミは輸入されてきていません。 そして飼育下のハリネズミが狂犬病に感染していたというのは聞いたことがありません。 いまの日本でペットとして販売されているハリネズミに狂犬病の心配をするのはそれこそ杞憂ではないでしょうか。
サルモネラ菌
ペットのハリネズミから感染する可能性がある共通感染症の代表的なものはサルモネラ菌である。 サルモネラ菌はあらゆるところに生息している。ハリネズミもまた保菌していることがある。 健康なハリネズミの場合は保菌していても症状が出ないこともある。発病した場合は下痢、食欲不振、元気がない等の症状が出ます。 治療法は動物病院で薬を処方してもらってください。 感染するのは特に抵抗力のない乳幼児に発病することが多い。 基本的に糞に混ざっているため糞を触った場合は石鹸と流水で手を洗うように心がけましょう。
真菌感染症
真菌というのは聞きなれない言葉だと思うがカビであり水虫のことである。 ペットのハリネズミが真菌に感染していることはよくあります。
Q. ハリネズミはみんなこの水虫菌を持っているの? A. 18匹のハリネズミのうち7匹はこの菌を持っていました(約40%)。
感染していた場合はフケが大量に出たり、耳がギザギザだったり、皮膚に明らかな異常が出たりと目で見てわかるような症状が出ます。 治療法は動物病院にて薬を処方してもらってください。
まとめ
ハリネズミに異常があった際にはとにかく信頼できる獣医さんの元に連れて行ってあげてください。 我々飼い主の勝手な判断でハリネズミを苦しめてしまうこともあります。 そして、動物と触れ合った際には手洗い等を徹底することが予防につながります。 人間とハリネズミ、お互いにとってより良い環境を作ってあげるようにしましょう。